2011-03-23 第177回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号
そういうことで国際保険市場にうまく乗って住宅資産や商業資産のほとんどの災害リスクを国際保険や大災害再保険市場、これに転嫁するような仕組みをつくっているわけですよね。
そういうことで国際保険市場にうまく乗って住宅資産や商業資産のほとんどの災害リスクを国際保険や大災害再保険市場、これに転嫁するような仕組みをつくっているわけですよね。
さらには、固定資産の中には働く国民大衆の零細な土地、家屋が大半を占め、それは単に日常生活の起居を行なうためのものでありまして、商業資産のように利潤を生むものではないということに注目しなければなりません。すなわち、商業価格が上がったとて、そこに住む限り、何十年たちましても資産それ自体が所得に及ぼす影響はないのであります。
それがゆえにこそ、政府におきましては、農業資産の問題については、これをなるべく分割しないで傳えていこうという案も立てられたことと存ずるのでありますが、さらに商業資産につき、工業資産につきましても、民法がもしこのままで通るということでありましたならば、ぜひともそういう修正的な特別法が檢討されなければならない。どうしてもそうなつてくるのであります。
商業資産において一番大きなものは、いわゆるのれんでありますが、のれんのごときは分割しようとしても分割できるものではない。また人によつては、これを金に見積つて平等に金で分配したらばよろしいとか、これを他人に讓つて金にかえてわければいいじやないかとか、相續人同士で合資會社をつくつたらどうだというような、いろいろな名論が出てまいりますが、さようなことは實際においてできるものではないのであります。
それなら商業資産法、工業資産法、漁業資産法もつくらなければならぬ。漁業だつたら船から網から釣道具もあります。わけろと言われれば一人ずつわけられないことはありませんが、わけたらめちやくちやになつてしまう。長男なりが家にはいつて、その資産が殖えたならば、次男が獨立できるようなものをもらつてちやんと獨立の商賣をやつていくということは、りつぱに行われておる。
それでは商業資産法というものをつくつたらどうかというと、それならばもつと進んで漁業でも同じだ。また工業でも大きな工場だつたら分離することはできるが、いわゆる町工場のごときものでは分離したら二足三文になつてしまう。機械一臺で手織がおもなところでは、それがくつついておることにおいて値打があるのですから、こういうものは絶對にいかぬと私は思うのでありますが、これはどうお考えでしようか。
そこで今ちよつとおつしやつたが、農業資産にそういうものが必要だということになれば、商業資産においてもぜひなければならぬ。私は農業以上だと思うのです。俗に言うのれんというがごときものは、これは絶對に分與することのできないものである。
さらに農業資産ばかりでなく、この精神なりいき方を、商業資産、工業資産などにまで敷衍していくお考えであるかどうかお伺いいたします。これをはつきりいたしますと、一般の、農民なり、工業あるいは商業に從事する人々につきましても、目指すところがかなりはつきりいたしまして、非常に役立つことになると思うのであります。